それからワタシは幾度となくそのペットショップに通い心の隙間を埋めるように鼻黒ちゃんに逢いに行っていました。

やがて鼻黒ちゃんはワタシ達の新しい家族として迎え入れることになったのですが、心の中では葛藤もしていました。

いつか必ずやってくるであろうお別れの時にまた同じ想いをすることに耐えられるだろうか。

それでも目の前にいる鼻黒ちゃんを見るとそんな迷いはどこかへ行ってしまいました。

ワタシは先のことよりも今の幸せを優先したのです。

元太に似た鼻黒ちゃんは「伍助」と命名し我が家の次男坊として新たな家族となりました。

いざ一緒に暮らしてみると元太とは全く正反対の性格で日々伍助に振り回されながらも気がつくとワタシは大きな声で笑っていました。

伍助のお陰でまた色のある世界がやって来たのです。

正直、伍助を迎えた当初は元太の居ない寂しさを埋めてもらっていたように思います。

元太はこうだったなぁ。

元太ならこうしたなぁ。

元太がいたら・・・

気がつくと心のどこかで伍助の中に元太を探していました。

今思うと伍助を元太の代わりにしていたのではないかとただただ伍助に申し訳なく思います。

いつからだろう、そんな伍助が愛しくて愛しくてたまらなくなったのは・・・

元太は元太。

伍助は伍助。

元太はワタシにとって特別な存在だけど、伍助もまた特別な存在であることに変わりはありません。

そんな伍助は今日、2歳のお誕生日を迎えました。